006 天上聖母十大地獄-其の肆〜昴と天狼（プレアデスとシリウス）

禄存星は「回転財」「愛情奉仕」の星と呼ばれます。お金 or 愛情、どちらの欲が優勢かは人によって異なるようです。車騎星は「シャキシャキ」が基本です。もともと牽牛星も車騎星も「スマートなカッコよさ」「プライド」がだいじです。ときに迷いすぎる車騎牽牛さんは、おそらく「カッコ良くいられないの自分が許せない」のかも。なんにせよ「陽」に属する星は、スケール大きくダイナミックでこそ長所が発揮されます。

天海玉紀 2022.07.23

前回は七夕シーズンだったので、牽牛星（彦星）と司禄星（織女＝織姫星）にフォーカスしました。先々週ですね。

先週末は「セルフイメージ錬成」の話を他所でしていたので、少し間が空いてしまいました。何をどこまで書いたかまったく思い出せないので（老化）私もノーミソをちょっと巻き戻さないと、ちょっと振り返ってみましょう。

＜十大主星＞（現在主に使われている算命学の用語）
→ 十大恒星（天上聖母算命学での独特の用語）

過去記事
＜貫索星＞◇ 北冠（北のかんむり座）鉄の意志を示す独立・自我の星
＜石門星＞◆ 五車（カペラ）勝負と投機、社会や事業の星

過去記事
＜鳳閣星＞◇ 南斗（いて座）食禄・俸禄、寿命を司る星
＜調舒星＞◆ 北落師門（フォーマルハウト）孤高の芸術家の星

＜禄存星＞◇ 昴（プレアデス）愛情奉仕と財の星
＜司禄星＞◆ 織女（ヴェガ）努力と勤勉さ、蓄財の星

＜車騎星＞◇ 天狼（シリウス）戦いと激突、武官の星
＜牽牛星＞◆ 牽牛（アルタイル）地位と名誉、文官の星

＜龍高星＞◇ 大火（アンタレス）革新と爆発、放浪の星
＜玉堂星＞◆ 北斗（おおくま座）学問と技芸、福徳の星

ふむふむ。そうだった。
思い出しましたか？確認OKですか？

天上聖母算命学では、実在する天空の星の名前をつけているのが特徴的ですね。

ちなみに「天上聖母」とは、道教の女神様である「媽祖様」のことです。媽祖信仰は、中国の沿海部や台湾で盛んです。

海上交通の安全を守ってくれるという意味からか、日本では弟橘媛（オトタチバナヒメ）信仰と混淆することもあるとのこと。弟橘媛は日本武尊の妃で、海が荒れた時に海中に身を投じて海神を鎮めた逸話で知られています。横須賀の走り水神社をはじめ、東京湾沿いに祀られていることが多いです。

といっても、やはり本場は中華街でしょう。横浜中華街には大きくて立派な媽祖廟がありますね。長崎にも立派な天后堂があります。神戸では関帝廟の中に媽祖様もいっしょにお祀りされているそうです。

さて、では参りましょう。前回の司禄星・牽牛星とそれぞれ対をなすのは、禄存星・車騎星です。

昴（すばる）はプレアデス。なんでだろう？星団として、星がたくさん集まってるから？
天狼はシリウス。これはなんとなくわかりますね。白く眩しく輝くおおいぬ座の恒星で、全天21の1等星の1つで最も明るい（太陽を除く）星です。

ちなみに、昔ながらの解釈だとこうなります。

男性にとって→司禄星（妻）・禄存星（お妾さん）
女性にとって→牽牛星（夫）・車騎星（婚外彼氏）

牽牛と司禄が「法律で守られた夫婦」なら、婚外の自由な関係が禄存と車騎というわけです。

現代的な解釈なら、女性で車騎や牽牛がたくさん持ってる人は「異性にモテる」かもしれないし「そこらへんの男に負けないバリバリの仕事人」かもしれません。男性で禄存や司禄をたくさん持ってる人は、昔なら「お妾さん」を囲えるくらいお金持ちかもしれないし、相手に細かく気を配るジェントルマンかもしれないし、ルーズな遊び人かもしれません。

このあたり、もともとの解釈をそのまんまストレートに言って当たることもあります。でもいつもそういうわけにはいきません。いかに連想を広げて、目の前の人の現実の出来事に合わせて解釈していくか、占い師の腕の見せ所でありましょう。

では、十大地獄のお話、第四回。「十大主星のダメダメ地獄リスト」です。

どんな星のもとに生まれていようとも、ダメダメの可能性は誰にでも等しく備わっています。わたしにはわたしの、あなたにはあなたの地獄があるでしょう。

ということで、解説の一例を見てみましょう。

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▼昴地獄（つまり禄存星）世話ごと好きで、技によって出費もする、愛情もゆたか、とあっては飛びつきたくもなるが、ひっくり返せば、身勝手で、恋愛三昧で身を滅ぼすとあっては肌寒くもなろう。恋におぼれ、恋に死んだもの。愛欲無限。自分だけを愛したものが追い込まれ、堕ちこんでくるのが昴地獄。

▼ 天狼地獄（つまり車騎星）人を殺したもの、酒を飲むもの、嘘をついたもの、子のないもの、小善を施して事たれりとするもの、他人を導かなかったものは、残らずこの地獄に投げ込まれる。武の星、力の星、情人の星、ものをやりとげる星ではあるが、さて、頑固、偏狭、争い、激発、思い込んだら百年目の錯誤、大酒飲みの星であり、女には愛欲の星。

西川満『アンドロメダ』昭和55年12月23日刊　2月号　人間の星社

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ふむむむむ。これだけだと、あんまり差がわからないような気がしますね。「愛欲」って同じ単語がリピートしてますしね。それぞれのマイナス面、もうちょっと詳しく描写してみたくなります。

さて。ちなみに別の項目で「キリストは天狼星の生まれ」って記載があるんですが、キリストの誕生日ってわからないんですよね。いったい何年何月何日で計算したのだろう？いつも謎です。

こちらは一般論のおはなし。時期運では、基本的に「禄存司禄は増える」「牽牛は忙しくて偉くなる」「車騎は離れる、新規開拓」みたいな解釈をすることが多いです。

年運で、禄存星・司禄星、車騎星・牽牛星が回ってきていた時期をちょっと振り返ってみてください。あなたはいかがでしたか？（未来の暦も入れておきます）

◯甲の人
→ 2008（禄）2009（司）2018（禄）2019（司）
→ 2010（車）2011（牽）2020（車）2021（牽）

◯乙の人
→ 2009（禄）2008（司）2019（禄）2018（司）
→ 2011（車）2010（牽）2021（車）2020（牽）

◯丙の人
→ 2010（禄）2011（司）2020（禄）2021（司）
→ 2012（車）2013（牽）2022（車）2023（牽）

◯丁の人
→ 2011（禄）2010（司）2021（禄）2020（司）
→ 2013（車）2012（牽）2023（車）2022（牽）

◯戊の人
→ 2012（禄）2013（司）2022（禄）2023（司）
→ 2014（車）2015（牽）2024（車）2025（牽）

◯己の人
→ 2013（禄）2012（司）2023（禄）2022（司）
→ 2015（車）2014（牽）2025（車）2024（牽）

◯庚の人
→ 2014（禄）2015（司）2024（禄）2025（司）
→ 2016（車）2017（牽）2026（車）2027（牽）