007 天上聖母十大地獄-其の伍〜大火と北斗
東洋系の占い師は説教マシーン?
なんとなくキーワードを暗記して、さもみてきたように偉そうにお客さんにご高説を垂れるような占い師にだけはなりたくないな。そうおもっていました。「え?東洋系の占い?無理無理。説教マシーンでしょ?」そうおもっていました。
それなのに、なんの因果か自分が東洋系占いをやることになってしまいました。どうせやるなら徹底的にやろう。実証あるのみ!ありったけ手に入るお誕生日データを集めて、その人の実際の言動を観察し、可能な限りインタビューを試み「◯◯星らしい言動」サンプルをたくさん収集しました。教科書どおりのこともあれば、そうでないこともありました。
長所と短所は裏表
ずっと心がけていることがあります。「長所と短所をセットで言語化する」トレーニングです。良い悪いの評価では決してありません。たとえ同じ言動でも、受け取る人の意識や、TPOの問題として、まったく違ってみえることばかりだからです。
例えば、これはいま思いつきの思考実験です。
長所と短所を同時に並べる実験、ぜひみなさんもチャレンジしてみてください。
「意志が強く独立心が強い/ワガママで協調性に欠ける」
「自由奔放に人生を謳歌/他人への配慮が足らない」
「きめ細やかでお世話好き/おせっかいで人の噂好き」
「ストイックで仕事熱心/上下関係に厳しくて権威的」
「思慮深くて冷静な理論家/行動しないで口だけの批評家」
いかがでしょうか。あるあるパターンではないでしょうか。
なにか突出した美点があるなら、それは同時に欠点にもなるでしょう。それでいいのです。生まれ持った性質を無理に変えて別人になることは不可能なのですから。
でも「自分が良いとおもうことを無自覚にぐいぐい押し出しているばかりだと、それが嫌がられたり欠点として受け止められる可能性もある」と知っているだけでもだいぶ生きやすくなるでしょう。
大火(アンタレス)と北斗
アンタレスは、蠍座の心臓部にある赤い一等星です。ラテン語ではCor Scorpii 和名は「赤星」中国名は「大火」など、その赤さが名前に反映されています。詩経「豳風七月」には、「七月流火」と記されています。旧暦六月の南天に赤く輝いて現れるアンタレスが、旧暦七月になると西空に傾いて沈む、つまり秋の涼しさの訪れを示すのだそうです。(いまは8月もまだまだ暑いですけどね!)
北斗については、002号でお話ししました。
古来より、北は高貴さを象徴する方位です。「北斗」はまさに皇帝の座であり、もっとも尊貴な象徴でもあることを思い出してください。
ちなみに天上聖母算命学には、現代の「玉堂星」ではあまり言われない「北斗(玉堂星)」の解釈も散りばめられています。「北斗は死の象徴→物事の終焉」「勲章をもらう」(←なにせもともと印綬ですから!)「玉堂星がたくさんある女性は水商売向き」(←わかるわかる!)などいろいろです。
教科書的なワードの丸暗記から一歩踏み出して、イマジネーションを広げると「具体的な出来事を実際に当てる」領域に近づいていけるでしょう。チャレンジしてみてください!
大火地獄と北斗地獄
では、地獄シリーズまいりましょう。
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▼大火地獄(つまり龍高星)
自由業、技術業、変わった仕事のできる星だが、それだけにむつかしい。持続性はないし、異性問題は起こすし、母縁は薄いし、女性にとっては子縁が薄い。〜生まれてきたと言うことが、すでに罪となってのこの劫火。女をいじめたもの、家庭をないがしろにしたもの、こどもを苦しめたもの、核兵器を発明したもの、ペンや下で人を殺したもの、戦争を巻き起こすもの、隣家に嫌がらせする人間、みなこのみごとな大火炎の中に、まっさかさまに堕とされる。
▼ 北斗地獄(つまり玉堂星)
学問、知性、事業、名誉の星だが、これも逆に見れば身勝手、いくじなし、なさけ知らず。〜知恵や学問はあっても、徳のない人、逆に無知蒙昧の人、八万四千の火を吐く大蛇に身を焼かれる。
西川満『アンドロメダ』昭和59年5月23日刊 7月号 人間の星社
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↑ こうやって比べると一目瞭然。ご覧のように、北斗の悪口は少ないですね。
星に吉凶はあるのか?
もともとの特徴が、大火(龍高星)は自由で八方破れのような予測不能さがあるのに対して、北斗(玉堂星)は品行方正でクールな優等生タイプだという大きな違いがあります。
通変星を重視して読むやりかただと、大昔には「吉」と「凶」をはっきり分ける解釈が主流だったはずです。伝統的な評価はこんなかんじでしょう。
△比肩(貫索星)←「出家」とかよく書かれてるので、一般社会に向かないって意味でしょう
×劫財(石門星)←財を破る
◯食神(鳳閣星)←食べるのに困らない
× 傷官(調舒星)←正官(夫)を傷つける
◯△?偏財(禄存星)←大きな財を操る
◎正財(司禄星)←堅実に財を蓄積する
×偏官(車騎星)←行動力はあるが荒い
◎正官(牽牛星)←組織で出世する
×偏印・倒食(龍高星)←食神を倒す、つまり「食うに困る」って意味ですね
◎正印(玉堂星)←伝統の継承者
見ての通り「正」とついてるものがいい、とされていたわけです。
算命学では「星に吉凶なし」って習うんですが、実際の解説では「うーん。どう聞いても善悪の差をつけて解釈してるよね?」と疑問を抱く場面はたくさんありました。それでもたとえ建前だけであっても「吉凶なし」と言うのはだいじなことですね。
星の吉凶については、その昔、暑苦しく語りまくった記事がありますので、ぜひご覧ください。
龍高星・玉堂星が回るときはインプットのとき
時期運チェックはこちらからどうぞ。
◯甲の人→ 2012(龍)2013(玉)2022(龍)2023(玉)
◯乙の人→ 2013(龍)2012(玉)2023(龍)2022(玉)
◯丙の人→ 2014(龍)2015(玉)2024(龍)2025(玉)
◯丁の人→ 2015(龍)2014(玉)2025(龍)2024(玉)
◯戊の人→ 2016(龍)2017(玉)2026(龍)2027(玉)
◯己の人→ 2017(龍)2016(玉)2027(龍)2026(玉)
◯庚の人→ 2018(龍)2019(玉)2028(龍)2029(玉)
◯辛の人→ 2019(龍)2018(玉)2029(龍)2028(玉)
◯壬の人→ 2020(龍)2021(玉)2030(龍)2031(玉)
◯癸の人→ 2021(龍)2020(玉)2031(龍)2030(玉)
龍高星は昔から健康注意のサインでもあります。健康長寿を司るのは鳳閣星です。龍高星はそれを激しく剋するものだからでしょう。
もともと龍高星・玉堂星が多すぎる人は、考えすぎためすぎ注意です。
よく「精神的便秘」と申し上げています。
メンタルヘルスにも関わる重要なポイントなので、特にもともと多すぎる人や、龍高星や玉堂星のエネルギーの使い方に慣れていない人は要注意です。
ではまた来週!(たぶんね♪)
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